「茜さす 紫野いき 標野いき 野守は見ずや 君が袖振る」
初期万葉を代表する歌姫、額田王のとても有名な相聞歌です。

私はハンゲームのお友達登録した方が見ることができる「お友達リスト」に一言のせる言葉を、そのときどきで自分の好きな短歌にしています。
今年に入ってからずっと額田王の熟田津の歌にしていたのですが、4月に入って「そろそろ変えようかな~」と思い、この「茜さす~」の歌に変更しました。

すると、あるお友達からさっそく「どういう心境なのか聞かせていただけますか?」というミニメールをいただきまして~。^^

たしかに、これって、実は三角関係の歌と言われてますから、反響はあるかな?^^;
この歌が、返歌とされています・・・。
「紫の にほへる妹を 憎くあれば 人妻ゆゑに 我恋ひめやも」
大海人皇子(後の天武天皇)が歌った歌です。

額田王は、もともとは大海人皇子の恋人で、十市皇女という女の子を産みました。ですが、その後、大海人皇子と別れて、中大兄皇子(天智天皇)のもとに仕えることになります。
大海人皇子との関係は終わったと思われていたのに、なぜこういう歌を公然と歌ったのか・・・。
いろいろな説があって、もちろんそのときの心情なんて本人どうししかわからないのですが、私は二人の関係が復活したのではなくて、もうどうにもならないとわかっているからこそ、あえて歌えたのかな~と思っています。
終わってしまったからこそ、美しい恋の歌をお互いに歌えるのではないかな~と。。。

私がこの歌を好きなのは、情景がとても美しいからです^^
「茜さす紫野~」視覚的にも音的にも素敵だな~と思います。
「野守」というのは、天智天皇を指しているといわれ、「袖を振る」という行為は、異性の気を引く動作です。

我が家に置き換えると、「野守」は主人ということになるのですが、肝心の「袖を振って下さる方」は見当たらないので・・・^^;;
というわけで、ミニメを送ってくださった方には申し訳ないのですが、自分の心境と一致したから書き換えたわけではありません^^
ただ、少し華やいだ女性らしい気持ちって、いつまでも忘れたくないな~とそういう気持ちはあるかもしれません。
「袖を振っている人がいるんですよ~」って、本当は野守に気づいて欲しいのかもしれませんね^^
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昨夜は中秋の名月でした。
本当に美しい月夜でした。
ネットのお友達が増えたので、美しい星空やお月様を見るたびに、全国に散らばっているほかのお友達もきっとこの空を見ているだろうと思えて、
「空はつながっているんだな~」といつも実感しています^^
実際、何人かのお友達から(もちろんみんな男性ですが~あら、大変^^)、美しい月夜に寄せてのメッセージをミニメでいただいております^^
(みなさま、とてもロマンチストですね^^)

お琴の楽譜に「十六夜日記」というものがあります。
「藤原為家の妻」という方が故あって鎌倉に東下りをしたときの旅行記なのですが、そのなかの和歌4首に曲をつけたものが楽譜になっています。これを毎年中秋の名月の近辺で弾くことにしています。
もっとも私は、手琴はわりと得意なのですが、歌がね~。^^;;
というか、歌を歌うことは好きですし、昔から上手だと言われてきましたけど、お琴の歌って、ちょっと違うんですよね。。。^^;
こぶしをまわさないといけないとか、微妙なビブラートが必要だとか・・・民謡を思い浮かべていただけるとわかりやすいかな・・・。
しかもお琴の音と同一ではなくて、微妙に違うところが、ついついつられやすくて・・・^^;

では、その和歌4首をご披露しましょう。。。

さだめなき 生命も知らぬ旅なれど また逢坂とたのめてぞゆく

たちはなれ よもうきなみはかけもせじ むかしの人の 同じよなれば

東路の 草の枕はとほけれど かたればちかき いにしへのゆめ

ゆくりなく あこがれいでし 十六夜の 月やおくれぬ かたみなるべき



訳はなくてもわかりやすいと思います。
というか、和歌って味わうものだと私は思っているので、訳なんてなくても
何度も何度も自分で詠んでみて、その歌を鑑賞してください^^

私の琴の音をみなさまにお届けできないのが残念ですが、気持ちはお届けできたかしら?
今夜は時間がありますので、将棋を観戦するつもりです。^^
なお、いただいたミニメのなかに、
「この月を見て、素敵な童話を書いてくださると嬉しいです」というメッセージがありました。
昨夜の月を心にしっかりととどめて、ご希望に添えればいいな~と今は思っています。期待せずにゆっくりとお待ちになっていてくださいね^^
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前の記事につづいて、今回も額田王の歌です^^

「冬こもり 春去り来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ 咲かざりし 花も咲けれど 山をしみ 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 紅葉をば 取りてぞしのふ 青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨めし 秋山ぞ吾(われ)は」

万葉の昔、天皇を中心とした宮廷にはサロンのようなものがあって、家臣たちや采女たちがそこでいろんな議論をしたり、楽しく過ごしたものと思われます。
そんなある日、(天智)天皇から「春山の花の艶やかさと秋山の紅葉の彩りと、どちらがより美しいであろうか、競わせてみよ」とのお言葉があり、そこで話題沸騰となったようです・・・。
共に「こちらがより勝っている~」という意見を言うのですが、両者共に譲らず、意見は分かれたままになります。
そこで、内大臣藤原朝臣~と言いますから、鎌足ですね。。。
彼が、額田王にどちらかをたずねるのです。
というわけで、額田王が歌ったのが、上の歌です。
「春秋競艶歌」と呼ばれています^^

だいたい読めばわかるとは思いますが、一応簡単に訳をつけますと・・・。
「春になると、今まで鳴かなかった鳥たちもやってきて鳴き始めます。花も色とりどりに咲き始めます。でも、山は木が多く茂って、山に入って花を手に取ることができません。草が深くなって、折り取って見ることもできません」
ここまでが春の感想です。つづけて・・・。
「秋の山は、(楽に山に入ることができるので)木の葉の紅葉を手に取って眺めることができます。でも、まだ青い葉は、置いておかなくてはいけなくて、ちょっと恨めしいですね。」
春・秋、それぞれに長所と短所を述べました。そして・・・。
「私は秋山です!」
と判定を下しました。^^

その場の雰囲気をうまく盛り上げて、あちらにもこらちにも気を持たせた上で、どちらにも納得できる理由・・・。
それは、「自分が好きなのはこちらです~」という純粋な気持ちかも^^
「理論と感性はどちらが強いか~」と、学生のときによく話題にしましたけど、結局理論派は感性派に勝てないんですよね^^;
一生懸命理詰めで説得するのに、最後の最後に「でも、やっぱりこっちが好きだな~」と言われると、説得する気がなくなるらしいです^^;
(ちなみに、私は理論派泣かせの感性派でした^^)
  ↓
だから、将棋は強くなれないのかな~。^^;;

この歌は、額田王のほかの歌に比べると、技巧的にもそれほど優れているわけではないと思うのですが、その感性の繊細さが素晴らしいですね^^

ところで余談ですが、私がもしこの判定を任せられたとしたら、それはやっぱり・・・。
「春山ぞ吾は!」
ですね^^
だって、春が大好きなんですから~♪



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9月になって、まだまだ暑い日がつづくものの、それでも空気はかなりさわやかで、秋の気配がそこここに感じられます。
というわけで。
久々に私の大好きな歌姫の歌を紹介しようかと・・・。

「君待つと 吾が恋をれば 我が宿の 簾動かし 秋の風吹く」
私の大好きな額田王の歌です^^
私は彼女の歌を大学の卒論にとりあげましたけれど、その彼女の歌の中で一番好きな歌がこの歌です。
何度も何度も詠んでみてください。
とても美しい歌です。
女性らしくて、しっとりとした情感に満ち溢れていて・・・。
相手を想う心が、ひしひしと伝わってきます^^

この歌には返歌があります。
「風をだに 恋ふるはともし 風をだに 来むとし待たば 何か嘆かん」
返歌の主は、額田王の姉である鏡女王です。

額田王が待っているのは、おそらく天智天皇と思われます。
額田王は、天智天皇の弟の大海人皇子(後の天武天皇)と恋をして十市皇女を産んだのですが、その後、天智天皇の恋人となります。
対して、鏡女王は最初天智天皇の妃の一人であったものの、その後臣下の藤原鎌足の妻になります。
額田王が待っていた「君」とは当然天智天皇だと推察されますが、その訪れがなく、簾を動かしたのは秋の風~という少しさびしい心情を歌ったのに対し、姉である鏡女王は、少し離れたところで冷静に見ています。

「来てくださると思って待っていること自体がうらやましいです。何をお嘆きになるのですか?」と・・・。

額田王は神の言葉を伝える巫女であったため、公的な歌がとても多く、こうした私的心情がたっぷりと入った歌は、とても繊細で美しいな~と思います。
「待つ~」ってすごく受身なのですが、額田王のこの歌の場合は「必ず来てくれる」という少し自信にあふれたところも裏にあるのかもしれませんね。
鏡女王は、そこを見事についた返歌をおくったものと思われます。^^
私もわりと人を待つことが好きなので、ましてやそれが自分の想う人ならなおさらなので、この歌には思い入れが強いのかもしれません。。。

秋の気配が少しずつ感じられる今日この頃、万葉の昔に思いをはせて、詩的な世界を味わっていただけると幸いです^^

(歌の読み方は、塙書房刊「萬葉集 本文篇」を参考にさせていただきました)

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さて、純愛論で盛り上がりましたけれど(^^)、今日は私の好きな女性の歌について。

これも純愛だと思うのですが、でも歴史的背景もありますし、まったくそれだけとは言えないかも。

しずやしず しずのおだまきくり返し
昔を今に なすよしもがな


吉野山 峰の白雪 踏み分けて
入りにし人の あとぞ恋しき


今の大河ドラマが「義経」ですが、その愛妾の静御前の歌です。
昔から静という女性が好きでした。
白拍子の舞姫ではありましたけれど、心清らかで、まっすぐに義経を愛した美しい女性です。

この歌の背景ですが、義経と頼朝の確執が明確になって、頼朝に追われる身となった義経が、静と共に逃げていました。でも、静が身ごもっていたこともあり、静だけが鎌倉に引き渡されたときに、頼朝以下鎌倉の武将たちの前で見事に舞いながら歌った歌なのです。
義経にとっては敵となってしまった兄・頼朝の前で、命乞いをするわけでもなく、愛想をふりまくわけでもなく、ただ一心に義経を想う、恋い慕う歌を詠み、舞いを舞うのです。
その美しさ、清らかさには、鎌倉の武将たちも涙したと伝わっています。。。

そのまっすぐな気持ちと共に、凛とした美しさも伝わってきますよね~。
そういう女性に私もなりたいと、いつも心から思います^^
憧れの女性は、静御前と、もう一人・・・額田王ですね。この方の歌については、また今度お話しますね^^
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プロフィール

ゆめ

  • Author:ゆめ
  • ハンゲーム将棋弐と将棋倶楽部24、最近は将棋ウオーズにも出没している将棋大好きな主婦です。
    子供たちも大きくなって、息子は社会人2年目、娘は大学四年生です。
    ペットはミニチュアシュナウザーのセナ(メス)8歳です!
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